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はじめてのしまなみ海道サイクリング。
E-BIKEでレアな絶景を楽しむ

はじめてのしまなみ海道サイクリング。E-BIKEでレアな絶景を楽しむ

はじめてのしまなみ海道サイクリング。E-BIKEでレアな絶景を楽しむ
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国内外、プロ、アマ問わず、サイクリストなら誰もが憧れの地である「しまなみ海道」。とはいえ、島内ルートと架橋部分には高低差もあり、体力のない方や運動不足の方にとっては、少しきついかもしれません。

そこでこの記事では、しまなみ海道の愛媛側のスタート地点「サンライズ糸山」でレンタル可能なスポーツ型電動アシスト付自転車「E-BIKE」を使って、初心者がしまなみ海道を満喫するためのコツを紹介。

教えていただくのは、しまなみ海道でも有数の観光地「大三島」を拠点にサイクリストを応援する総合施設を運営するWAKKA代表取締役の村上あらしさん。しまなみ海道にはじめてチャレンジしてみたい方、はじめてスポーツタイプの自転車に挑戦する方、必読のインタビューです。

 

はじめてのE-BIKE、気持ちよく乗るポイントは?

──しまなみ海道をE-BIKEで楽しむためのコツを伺いたいのですが、そもそもE-BIKEってどういう自転車なのでしょうか?

村上:E-BIKEとは、ロードバイクや、MTB、クロスバイクといったスポーツサイクルに専用ドライブユニットを搭載した、スポーツ型電動アシスト付自転車のこと。いわゆる軽快車タイプの電動アシスト自転車とは、機械の構造が少し違うんですよ。

村上あらしさん

村上あらしさん

──E-BIKEのような電動アシスト自転車と、普通の自転車の大きな違いはなんでしょうか? 

村上:一番の大きな違いは、電動アシストがついているため、体力に自信がなくいままでサイクリングをしたことがない方や、ロングライドや急な坂道のサイクリングをあきらめている方など、年齢、性別、体力に関係なく幅広い層の方がサイクリングを楽しめるという点です。

サイクリングでしか味わえない爽快感や目的地に到着したときの達成感、町並みや風景などの景色が変わっていく様子など、楽しむことができます。

E-BIKE

E-BIKE

村上:いっぽうで意外に多いのが、転倒による機器の故障問題。E-BIKEはバッテリーの大きさにもよりますが、車体重量が20〜25kgと普通のクロスバイクの2〜3倍あります。

車体重量に対してスタンドが小さいので停車時に倒れたり、疲れているときに転倒してしまったり。それによってディスプレイが壊れてしまったという話はよく聞きます。

村上:ただそういった特徴はありつつも、やっぱり電動アシストは圧倒的にラクですよね(笑)。しまなみ海道や瀬戸内の島々はアップダウンが激しいので、E-BIKEでのサイクリングにぴったりだと思います。

──E-BIKEのようなスポーツサイクルって、サドルを高めの位置に調整しますよね。初心者にとっては慣れないポイントのひとつです。

村上:いわゆる軽快車だと、サドルにまたがった状態で足が地面につくように調整する人がほとんど。かごに荷物を入れたり、子どもを乗せたりもするので、足がついたほうが安心できますよね。

でもスポーツサイクルでは、ペダルを一番下の位置に合わせた状態で足を乗せて、膝が少し曲がるくらいがベストポジション。これによって、ペダルをこぐ力を効率良く自転車に伝えることができるんです。

膝が少し曲がったくらいがベストの状態

膝が少し曲がったくらいがベストの状態

村上:つまり、高いサドル位置は、スポーツタイプだけでなく軽快車でも有効なんです。極端な例ですが、サドルを低くした100万円の自転車と、サドルを高くした5万円の自転車でレースをしたら、5万円の自転車が勝つと言ってもいいくらい。長距離を走ったときの疲れも全然違います。

また、坂道の登りやすさもまったく違います。せっかく坂道を登りきって絶景が目の前に広がっているのに、息が切れてバテてしまった人を時々見かけますが、そういう人は大体サドルが低いんですよ(笑)。

──とはいえ、高いサドルにまたがるのは怖そうです。コツはあるのでしょうか?

村上:まずはサドルの前にあるフレーム部分にまたがります。その後にペダルに足を乗せて、こぎはじめながらサドルに座る。

フレーム部分にまたがってからサドルに乗る

フレーム部分にまたがってからサドルに乗る

村上:そのほかにも自転車を少し横に倒してサドルにまたがる人もいるし、段差に足を乗せてまたがる人もいるので、自分がやりやすい方法を試してみるといいですね。

乗ってこぎはじめた瞬間に「あっ! こういうことだったのか!」とわかると思います。ただやはりバランス感覚は重要。止まるときは、そっと自転車を横に傾けながら足をつくといいですね。

──E-BIKEには、ロードバイクやマウンテンバイク(MTB)と同じように変速機能(ギア)がついています。あれはどのように活用すればいいのでしょうか? 

村上:平地はアウター(大きいギア)、登り坂はインナー(小さいギア)が基本です。

アウターは、ペダルが重くなるのでこぐ力が必要ですが、スピードに乗ったら速く走れます。逆にインナーは、ペダルが軽くなるので登り坂などでは有効ですが、スピードはでません。

ギアを上手く切り替えて使うことで、体力や筋肉疲労を調整しながらサイクリングを楽しめます。

ギア変速

ギア変速

村上:また、1分間にどれだけペダルを回したいか。つまりサイクリングを通して、有酸素運動をしたいのか、無酸素運動をしたいのかで選ぶのもいいと思います。

ペダルを軽くしてたくさん回すと、有酸素運動で汗をかけるのでダイエットしたい人向け。ペダルを重くしてこぎ続けるのは、筋肉をつけたい人におすすめです。

──とても勉強になります。スポーツサイクルはハンドルの種類もいろいろありますが、これはどのように選べばいいのでしょうか?

村上:基本はクロスバイクやマウンテンバイクで使われる「水平ハンドル」でいいと思いますよ。ただ、100kmなどの長距離を走る場合は、ドロップハンドルのほうがラクですね。

長距離を運転するとすぐわかりますが、水平ハンドルって腕の姿勢が不自然で肩が疲労しやすいんです。いっぽうでドロップハンドルは腕の姿勢が自然なんですね。ただ使いこなすには、腹筋を鍛えておかないといけないですけどね(笑)。

水平ハンドル

水平ハンドル

ドロップハンドル

ドロップハンドル

──「しまなみ海道」をE-BIKEでサイクリングする際に気をつけたほうがいいことはありますか? 

村上:やっぱりバッテリーの残容量と走りたいコースの距離や標高のすり合わせは常にしておいたほうがいいですよね。たとえば大三島一周だと約40kmあるので、残りのバッテリー量で十分走行できるか確認しながらチャレンジしてもらうことが大切です。

村上:あと、E-BIKEだからではないですが、やはり普通のサイクリングと同じで、いかに荷物を少なく軽くするかは重要です。

服装もレーシングジャージまではいかないにしても、なるべく軽い服装がいいですね。たとえばジーパンは重くてサドルを摩擦で痛めてしまうのでおすすめしません。

村上:あと当たり前ですが、ヘルメットは180%かぶったほうがいいです。残念ながらいろんな偶然によって、事故はいつか必ずおきてしまう。大三島だと、下り坂で急に目の前に猪が飛び出してくることもよくあります。

最近のヘルメットはとても軽くて通気性もいいので快適ですし、面倒くさがらずにつけるほうがいいですよ。

ヘルメット

ヘルメット

 

しまなみ海道、E-BIKEだからこそ行っておきたい穴場スポット

──ここからは、E-BIKEだからこそ初心者でも楽しめる、しまなみ海道の穴場スポットをお伺いできればと思います。

村上:愛媛側からスタートして最初に訪れるのが大島ですが、ここは迷いなく「田浦峠」をおすすめしたいです。

大島の北端・大島大橋のふもとから、島の外周部を走る48号線を反時計回りに進んだところにある場所で、名前のとおりハードな登り坂が待ち構えています。

田浦峠

田浦峠

村上:しかし峠の山頂を越えて、下り坂に入ってからの景色が見もの。「このまま瀬戸内海に吸い込まれてしまうのでは?」と錯覚してしまうくらいの海の絶景が目の前に広がります。

登り坂が続くので、初級のサイクリストはあまり訪れない場所ですが、E-BIKEであれば簡単に登れるので、ぜひチャレンジしてみてほしいです。

──大島といえば、亀老山展望台から見る景色が有名ですが、こんなスポットもあったんですね。四国側から2つ目の島、伯方島はいかがでしょうか?

村上:伯方島は、しまなみ海道のなかでは小さな島なのですが、おすすめは、島の西部にある開山。4月の桜の季節、ここの山頂では、ほぼ360°パノラマビューの桜景色が楽しめます。やはり登り坂が続くので、初心者のサイクリストでは難しい場所ですが、E-BIKEであればまったく問題ありません。

開山の桜

開山の桜

村上:あと島南部、伯方橋から少し東に行ったところにある「船折瀬戸」もおすすめです。船が折れるくらいの急な潮の流れが有名な場所で、ここも道中のアップダウンが激しいですが、崖の上から見下ろす潮の流れは大迫力です。

船折瀬戸

船折瀬戸

船折瀬戸

船折瀬戸

──WAKKAが拠点とする大三島は、ほかに比べてかなり大きな島ですね。

村上:一周約40km、早い方で2時間半くらい、初心者であれば3時間以上かかります。

ここはしまなみ海道のなかでも観光の中心地で、温泉や宿泊施設のほか、島の南部には伊東豊雄建築ミュージアムなど、美術館もなども揃っています。

村上:たくさんあるので迷ってしまうのですが、ここはあえて大三島の最高峰、鷲ヶ頭山ヒルクライムを紹介したいです。しまなみ海道における「屈指の秘境・絶景スポット」といわれたりもするようですが、島の最高峰だけあって360°のパノラマビューが本当に感動的。行く価値のある場所だと思います。

鷲ヶ頭山

鷲ヶ頭山

村上:ただし未舗装路もあるので、MTBやシクロクロスなど、オフロード系のE-BIKEでチャレンジするのがおすすめ。一味違うサイクリングを体験できると思いますよ。

──たしかにしまなみ海道のサイクリングでも、鷲ヶ頭山に行った人はあまり聞いたことがありません。

村上:めずらしいスポットでいえば、あともうひとつ。四国側からしまなみ海道に入って最初の橋・来島海峡大橋の途中に、馬島という小さな島に降りられるエレベーターがあるんです。

馬島

馬島

来島海峡大橋

来島海峡大橋

村上:また島南側の小さなビーチの脇に、干潮のときにだけ現れる洞窟があるのですが、その洞窟をくぐり抜けると島南端の岩場に出るんです。

馬島

馬島

村上:すぐ目の前には潮が渦巻く瀬戸内海があって、船が行き交う姿を大迫力で見ることができます。ここは瀬戸内海における交通の要所で、いろんな国籍の船が通るのですが、ぼくは「Findship」というアプリでそのスケジュールをチェックしています。

──必ずしもサイクリング初心者が行くイメージのところばかりではありませんが、E-BIKEなら簡単に行けてしまうというのは驚きですね。

村上:スポーツサイクルに乗ったサイクリスト上級者をE-BIKEに乗った初級者が追い越していくなんて光景も、登り坂ではよく見かけますからね。

E-BIKEに乗って「しまなみ海道」のいろんな景色やスポットを楽しんで、サイクリングの楽しさを発見してもらえたら嬉しいです。

PROFILE

村上 あらし(むらかみ あらし)

株式会社WAKKA代表取締役。2018年、外国人やシニアも対象としたサイクリスト総合施設の事業プランで、愛媛県「グローカル・フロンティアアワード」最優秀賞受賞。同年WAKKAを創業する。2020年3月、大三島にサイクリストのための総合施設をオープン予定。

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