桜と多島美、そして優しい人に出会える島

尾道から因島の土生（はぶ）港へはバスで50分、そこから高速船「ニューうおしま」で10分（今治港からは快速船で1時間ちょっと）。フェリーを降りると、ゆめしま海道の玄関口のひとつ、弓削港の赤い橋が出迎えます。港の目の前のせとうち交流館でレンタサイクルを予約しておけば、スムーズにサイクリングをスタートできます。弓削島はアップダウンがあるので、E-BIKEがおすすめです。

鯨池公園

穴場の桜スポットを楽しみながらサイクリング

まずは、ひとつめの桜スポットを目指します。島サイクリングのセオリーは時計回り。そうすれば、ずっと海を近くに感じることができます。フラットな道を走りたどり着く鯨池公園では、絵に描いたような満開の桜が楽しめます。自転車で走るとヘルメットに当たってしまうほど、覆いかぶさるように咲く桜の迫力に圧倒されること間違いなしです。

book cafe okappa

鯨池公園からは弓削一周道路で一気に南下します。それなりのアップダウンはありますが、E-BIKEなら満開の桜並木や民家の庭先に咲く花々、穏やかな瀬戸内海の景色を楽しむ余裕があります。佐島へ渡り、ひと休みするのにおすすめなのが「book cafe okappa」。オーナーご夫婦とお話したりするなど、ゆったり過ごすことができます。

国内唯一のUターンブルーライン

サイクリングルートの目印として引かれているブルーラインに沿って佐島の南端（長磯の浜）まで進んで行くと、逆戻りのUターンブルーラインが現れます。
Uターンブルーラインは国内でここにしかない珍しいスポットなので、記念撮影は欠かせません。Uターンブルーラインを楽しんだ後は、暗くなる前に弓削島へ戻り、この日はサイクリストの拠点となっている「ゲストハウスみちしお」に宿泊です。

念願の積善山三千本桜に感動

2日目の朝は、弓削島から一気に3つの橋を渡って岩城島のブルーレモンファームへ。いちご狩りができるビニールハウスに入ると、綿菓子みたいな甘い匂いに包まれます。食べ放題の後、渾身の3粒を選んで直営のカフェに持って行けばスムージーにしてくれます。自分で採ったイチゴのスムージーは特別なおいしさ！

積善山（岩城島）

腹ごしらえの後は、念願の積善山へ。積善山（標高369.8m）は「岩城富士」とも呼ばれる岩城島のシンボル。春になると3000本以上の桜の木が咲き誇り、「天女の羽衣」とも称されます。
道に沿うように植えられた桜や道端のツツジを鑑賞しながら上れば、山頂までの3.9kmはあっという間。
山頂の展望台からは360度のパノラマが広がり、“多島美”と呼ばれる瀬戸内海の景色と、桜のコラボレーションは圧巻です。

積善山へ上る途中の桜とツツジのコラボ

桜の季節こそサイクリングを

桜吹雪のなかを走って花びらが顔にくっついたり、立ち止まって写真を撮り合ったり。そんなふうに桜を楽しめるのも、自転車旅の醍醐味です。
桜の時期は車が多く、渋滞もありますので、サイクリングで思いっきりお花見を堪能しましょう。

生名島にある防波堤アート「みんなのクジラ」

生名島のサウンド波間田キャンプ場に行く途中、フォトジェニックな防波堤アート「みんなのクジラ」へ。夕日に照らされた静かな海を眺めていると、帰りたくないという気持ちが高まってきます。

自転車で走って、おいしいものを食べて、たくさんの人に出会うゆめしま海道の自転車旅。度々足を運びたくなるような魅力が盛りだくさんです。桜の季節だけでなく、他の季節もまた違った楽しみがあるので、ぜひ何度も訪れてみてください。